今の会社に転職した頃(20代前半)、いわゆるバブルが崩壊した後の不景気ではあったが、仕事はまだまだたくさんあり、むしろ会社としては、売上を増やしていく方向だった。
設計で採用されたのだが、前任者と交代でいきなり一人で担当することになったこともあり、右も左もわからず大変な苦労をすることになった。
転職したばかりで、自分の中では背水の陣と考えていた(大袈裟)こともあり、がむしゃらに働いていたと思う。
その後、仕事は増え続け、長時間残業が当たり前になってくると、年中やめたいと思うようになっていた。
残業手当はきちっと支払われていたが、どちらかと言えば金を払うからやめさせてくれという気持ちだった。
そんなときに限って、社内で表彰されることがあった。普通ならやりがいを感じるタイミングではあるが、辞め辛くなるため、ありがた迷惑と思っていた。
ある時、支店の営業から電話があり、何かと思えば、図面が早かったので受注につながったとのこと。それだけを伝える電話だった。
記憶する限り、初めてやりがいを感じた瞬間だったと思う。